■上腕骨顆上骨折 伸展型

発生機序…伸展位で手掌部を衝き衝撃が前方から後方に働き、肘関節に過伸展作用が起こり
     肘頭が肘頭窩に突き当たる顆上部に屈曲力が作用し骨折する
好発年齢層…幼少児(骨の発育が未熟な為)
伸展型骨折線…前下方から後上方へ走る

末梢骨片転位…後上方に転位
固定期間と固定肢位…肘関節100°(90°)屈曲、前腕回内位、MPから上腕近位まで固定し、約4週間
鑑別診断…肘関節後方脱臼、上腕骨遠位骨端線離開

(尺側転位)
前腕回内位とし、肘関節を軽く伸展し遠位骨片を牽引する
肘関節部を持っている手の拇指で遠位骨片、他の4指は近位骨片

 


肘関節部を外転し、拇指で遠位骨片近位端に外旋を加え直圧し、

側方転位を整復する


遠位骨片を近位骨片の後方に完全に整復する

(確認する)

 


把握している手を持ち替え拇指を肘頭部よりやや中枢
他の4指を近位骨片遠位端の前方に当てる


抹消牽引をしながら拇指を支点とし、肘関節を過伸展させ
遠位と近位の骨折端後面を接合する


次いで、拇指で遠位骨片を前下方へ

近位骨片の前方に当てた4指で、前方より対抗圧を加え整復する 


骨折端が接合したら
肘関節を牽引しながら、徐々に大きな円を描くように屈曲する
確認の為最大屈曲まで屈曲する