■鎖骨骨折 座位整復法

*発生機序…転倒等での肩峰からの直撃
*局所の確認事項…高度の腫脹、変形、限局性圧痛
*好発部位…中外1/3でS字状の最も湾曲で構造上骨が細く、靭帯や筋肉の補強が弱い部分に軸圧と屈曲力が加わる

*患者の外観…頭部を患側に傾け肩は下垂し、肩幅は短縮する。健側の手で保持する

*骨片転位…近位骨片は胸鎖乳突筋の作用により後上方へ、遠位骨片は上肢の重量の為前下方へ

      短縮転位は大胸筋の緊張の為発生
*固定期間…4~5週間  ※短縮状態による骨癒合の変形治療に注意が必要
*整復前の確認…皮膚、(皮下骨片の突出)神経、血管損傷の確認

鎖骨骨折座位01

(第1助手)
患者の後方に位置し
患者の肩甲間に膝を当て
腋窩から両肩部を把握する

 

(第2助手)
肘関節90°屈曲位で肘部と
前腕遠位部を把握する

確認事項
  肩部を腋窩から把握
  膝頭の位置確認

 

確認事項
  患側側方に位置
  肘関節角度確認


(第1助手)

左右肩部を後上方に牽引する

 

確認事項
 牽引方向の確認(後上方)
 牽引力が充分か確認

 


(第2助手)
上腕骨軸を遠位から近位方向に
押し上げる

確認事項
 押し上げる方向の確認
 押し上げる力の確認

 


術者は骨折部を前下向へ圧迫し

整復する

確認事項
 術者の位置確認
 やや患側に位置する

 


確認事項 
 助手の操作で皮膚緊張が解消されているか確認
 圧迫する指が近位骨片端に当てられているか確認

 圧迫する方向が前下方に向かっているか 確認

 整復後二次損傷発生の有無の確認(神経、血管損傷の確認)